"生産技術は向上している。
が、消費の質は向上しているだろうか。
消費を意味する英語のconsumeは、
ラテン語起源で、conは「完全に」、sumeは「取る」の意である。
消費の良し悪しは、どこまで使い尽くすかであり、
それは質というより量の問題である。
そのため消費の美学は蕩尽に向かう。
どう使うか、どう味わうか、どう着こなすか、
どんな行為を触発するかといった身体行為と密接に関わる
質的な問題意識は脇に置かれてしまう。
生産に消費を対置することで、生産の質も危機に瀕する。
ものづくりや創造行為でさえ量の問題にされてしまいかねなくなる。
そこで「生産」に対になる言葉として
「消費」の代わりに「感じること」を置いてみる。
「感じること」なら「質」を問える。
そうすることで「生産の質」への問題意識も向上する。
デザインの役割も変わらなくてはいけない。
「消費」を促すためのデザインから、
「感じること」を促すためのデザインへ──。"
/藤崎圭一郎@「TOKYO FIBER '09 SENSEWARE」
photo from the russh magazine
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